施工情報 今回は、当営業所で行なっている『残留塩素測定』をご紹介致します。残留塩素の測定はDPD法(Diethyl-p-Phenylene Diamineの略)により、塩素測定専用の測定器を用いて測定を行います。中でも東京都では、水の色・濁り・臭い・味、そして残留塩素の数値を365日測定しなければならないと定められているため、私たちはお客様にビル内で快適に過ごして頂けるよう、日々環境衛生管理に努めております。さて、標題の残留塩素測定についてですが、まず始めに『残留塩素とは一体どんなものなのか？』そして『残留塩素測定とはどういうことなのか』をご説明致します。
＜残留塩素とは、測定とは＞
普段私たちが口にしている、水道水。実は、飲料水として私たちに供給されている水は、塩素などで充分に殺菌・消毒をされて、安全に運ばれて行きます。
その殺菌・消毒をされて運ばれてきた水の中には、殺菌されていても残っている塩素があり、それらのことを「残ってしまった塩素 ＝ 残留塩素」と言います。
私たちが現在使用している水道水の塩素とは、この残留塩素を指します。
しかし、塩素は光に弱い物質であり、その光によって分解しやすいことが知られています。
水中にはごくわずかではありますが、有機化合物が溶けています。
これらの一部の塩素によって酸化されて行きますが、すべての有機物が塩素で酸化されるわけではありません。
暗い場所で酸化されない物質が、光の存在で酸化される場合があることは、広く知られています。
すなわち、暗い場所よりも、日当たりのよい場所で塩素は抜けていく。ということになります。
つまり、残留塩素がない、塩素が抜けたということは、自らの力で殺菌が出来なくなったということです。その場合、水が汚染されている可能性があるということになります。
そこで、『残留塩素がある』ことの確認が必要不可欠になるわけです。
この残留塩素の確認作業を「残留塩素測定」と言います。
では実際に、当営業所で行なっている残留塩素測定の様子と仕組みについて、ご紹介致します。
＜残留塩素測定の様子と仕組み＞
残留塩素は、冒頭に申し上げました通り、DPD法により365日測定を行なわなければならないので、給水系統別に末端給水栓において実施致します。給水栓において、基準値に満たない場合、あるいは残留塩素濃度の変動が著しい場合は、汚染物質などの混入または長時間の滞留などが考えられますので、速やかに原因を調査し適切な措置を行なわなければなりません。
残留塩素濃度の基準値は、下表をご参照ください。
上表にあります、緊張時とはビル内にいらっしゃいますお客様方に消化器系感染症が流行しているとき、または給水設備の大規模な工事あるいは、広範囲な断水のあとで給水するときをいいます。
では次に、本題であります残留塩素測定の様子をご紹介致します。
当事業所での残留塩素測定箇所は、雑用水を含めて8箇所であり、今回はそのうちの１箇所を掲載させて頂きます。
当事業所内にあります、個室トイレのSKにて測定しております。
では、測定を開始致します。
測定器の試験管を用いて水を入れますが、その際試験管本体に書かれています、10mlというところまで最初から水を入れるのではなく、水を満タンにした状態から少しずつ10mlまで戻していきます。
水を10mlにしましたら、次は塩素の濃度を測るために粉体試薬を試験管の中に混入させます。粉体試薬は、DPD法に定めれた残留塩素濃度粉体試薬を使用します。
粉体試薬を入れますと、上記のような塩素反応を起こします。
薄いピンク色になっているのがお分かりになると思います。
参考までに、粉体試薬混入前と混入後の比較を載せます。
左の試験管は、粉体試薬を混入させる前です。
右側と比べてみると、一目瞭然ですね。
では、塩素濃度はどのくらいでしょうか。測定器を用いて測ってみましょう。
当営業所で使用している測定器は、目視で行なうものですので、
色の見本（点線で囲っている箇所の両隣）と見比べて、濃度がどのくらいなのかを比較します。
分かりやすいように、もう少し近づけて見てみましょう。
色の見本と一致しました。ということは、塩素濃度が、約0.3㎎/Lだということです。
今回、測定しました塩素測定の濃度は、遊離残留塩素濃度ですので、基準値を満たしています。
このことから、水は汚染されていない、塩素は十分にあるということが分かりました。
＜水質検査について＞
当社では、水質検査は専門業者に委託しておりますが、ご説明をさせて戴きます。
水質検査については、定期的に行なっており、残留塩素測定に伴い給水系統別に、末端給水栓において行なっております。
高置水槽方式の場合は、高置水槽の系統別に末端給水栓にて行ないます。
検査結果が不適合となった場合は、残留塩素測定と同様に原因を調査し、速やかに適切な措置を講じます。
改善後は、再度水質検査を行ない、安全を確認してから使用致します。
検査項目は、『10項目』、『4項目』、『1項目』、『12項目』となっております。
詳しい内容は、下記の表をご参照ください。
飲料水の水質検査は、当社で行なっていますので、詳しくは当社の本社・営業チームまでご連絡下さい。
